ネトフリ版令和悪魔くんの感想
ネトフリ版令和悪魔くん完走しました。2期があるならぜひ見えない学校を手当てしてあげてください。😢
どこか奇妙な雰囲気のなか、問題定義やアンチテーゼを散りばめて、観てるこちらに考えてほしい、というお誘いが見え隠れするつくりになっていて、好きな人は好きな作品なんじゃないかなと思います。89年版当時の本編とは別物すぎて、私はわりと割り切って見てました。謎スピンオフ(?)があるのもビッグタイトルならではの醍醐味と言えるかも!?てノリでいます。これをきっかけに、世代ごとに色々なメシアがいる悪魔くんという作品特性が広く世間に知れわたって、悪魔くんという水木先生が手がけた作品の面白さが共有できる機会が増えたら良いなと思いました。
観始める前は、悪魔くんは歴代かなり壮大な話が多かったので、1クールでどんな物語になるのかな?まとまるのかな?とドキドキしていましたが、観てみるとあまり風呂敷を広げすぎず、一郎と先代悪魔くんの愛情、メフィスト3世との友情の育みに焦点を絞る事がわかったので、途中からかなり冷静に観ました。ストロファイアなど、1番謎な部分を思い切り残してますが、作品の主題からブレないようにするには、このくらいの終わりかたじゃないと厳しいのかな?とも思うので、あまり不満はありません。終わりの場面や、アフターラジオ聴いたりしてると、2期制作ありきな感じするし……?私の予想では2期1話は何事もなく一郎が研究所で3世をこき使ってて、グレモリーが「キィ〜!あの時はよくも騙してくれたわね〜!ぷんすこ」て登場するんだろうな……と思うので、最後の3人のことも心配していません。笑 そういうどんでん返しというかトボケた拍子抜けが好きそうな印象を持った、令和悪魔くんでした。
単一の話はどれも丁寧な話作りではあると思うのですが、個人的にはどんでん返し→ビターエンドが続きすぎて結果同じ味に感じやすく、自分の評価はネタの好き嫌いや共感性の高さに偏ってしまい、なかなか難しいです。一年クールアニメでたまに入るビター回として観てたら、もっと感想変わったかも……と思う話もあります。鬼太郎とか観てると欲深くなっちゃう。
その中では映画監督二人の友情とは何だったのか?の回が1番印象深いです。同じ戦地を選んだ親友兼ライバルの嫉妬と憧れ感情にメシウマ感じてる悪魔が、完全にカプにもえてるオタクと同じリアクションでウケまくった。ていうのは偏ったオタクの感想ですが、3世との親交で人の心を育む一郎という主題と絡んでて、比較的後味が良かったです。
全体的に物騒な事件(人の命がいとも簡単に捨てられる)のなかで淡々と話が進む、ほのかに崩壊している常識と穏やかな日常の絡み合った作風が、それぞれ特殊な生い立ちでありながら親同士が仲良くて一緒にいるという、運命的でも何でもないごくありふれた友達関係を育んでいく一郎と3世の関係性と合わさって、令和悪魔くんという独特な個性を作っているなと感じました。
水木しげる原作感があるのか?悪魔くんであるのか?と言われると、直接的にも間接的にも私個人はあまり感じませんが、ひとつのアニメ作品として確立していると思います。
ただ、悪い言葉選びをあえてしますが、“胸糞”エンドが続くわりに一郎と3世がわりと綺麗な友情を育てているのが、ゲストキャラの醜悪性や心理的弱さに対して、突然アニメ的に感じてしまう部分で惜しかったかな〜。健全な成功体験ありきで培われるような関係性に終盤なってて、ちょっと作中のキャラと観てる自分に温度差を感じました。ここまで人々の闇にフィーチャーするなら、いっそ一郎が喪黒福造ばりに狂言回しのようなポジションでいればいいんですが、心も経験もまだ未熟な少年の成長を主題にしてるため、依頼者達の結末や心情に多少なりとも感化されてるところが微妙に観てて心配という名のストレスというか……。なんかもっとホッとするような出来事が彼にあって欲しかったなと思います。その部分を、義理父の埋れ木くんの慈愛がなんとか担ってる感じがしましたね。ふたりのエピソードはどれも良かったと思います。
一郎が思ったよりわかりやすく埋れ木くんにツッパたりして、逆に懐いてることが明白だったのでかなり意外で最初は驚いたのですが、幼少期に引き取ってたならそれも納得です。初めはてっきりここ1〜2年くらいで拾って保護者になったのかと思ってました。
一郎の正確な年齢わからないのですが等身的に10代後半くらいだとして、あきらか成長期の自分に対して自分の全てを導いてくれた父親が成長止まっていて、どんどん追い越していくのって、多少なりとも思うところあるんじゃないでしょうか。言語化するための感情経験がずっと無いから、反抗的な態度にしかならないのかな、と思ったら不器用で愛しいですね。
一郎への理解や感情移入が後半になるまでなかなか難しかったため3〜9話あたりはマジでメフィスト3世の可愛さをモチベに観てました。笑 ビジュアルが2世・声が古川登志夫という最強の肉体を持った上で、真面目で純粋純情で、ちょっと抜けててお人よし。家事も客人対応もお上手、平和主義。全部かわいい〜!お祖父さんは登場しませんでしたが、彼もおそらくメロメロでしょこんな可愛い孫にはさあ。
冴えないおっさん風メフィスト2世パパは……10話くらいになると目に入っても全然動じなくなってしまい、人間の慣れって凄いよー!!爆笑
あと、9話くらいまであまりにも元の2世の内面的要素が無さすぎて、上記の動揺の無さも本当は「脳みそが同一人物だと認識できてない」という可能性を自分自身に疑ってたんですが爆笑、埋れ木くんとふたりになると「おう」とか受け答えがわりとイキリ乱暴口調になって、あ、この人ってメフィスト2世として作られてるんだ……普段はやっぱ丸くなった人間性(悪魔だけど!)の表現なんだ……と気づきました。古川さんの演技の幅が沢山味わえるのは令和悪魔くんのかなり最高なところだぜ!!!!でもキッズ容姿の埋れ木くんと飲むのは事案だよ。
思ったよりも冷静に先代組の登場にも慣れてきた頃、終盤の過去回想で突然登場した青年(であろう)成長メフィスト2世が、成長の止まった埋れ木くんの隣に並んだときにその背丈を追い越してしまっているのがわかり「ギャー!!!!!!!」て叫んで頭抱えたました。き……聞いてませんよ……!!こんな時代もご用意してるなんて……!埋れ木くんを置いて成長なんて……許さん!オタク情緒乱れまくり!!!
埋れ木くんは三田さんの声が本当にそのままで、ずっと優しくて、もうそれだけで感無量です。ファウスト博士が自分にそうしてくれたように、ソロモンの笛が次のメシアを選んだのであれば、その彼の先行きをフォローしたいと埋れ木くんは思ったのかな。今作の埋れ木くんの言うことには、千年王国を作るゴールはなく、王国建設のために何ができるかを考え導き出す行為に重きを置いていたようだったので、別にメシアが何人いても良い感覚なのだろうし、一郎に全てを任せてる訳でもないと信じたいです。というか、埋れ木くん自体は常に何かしらの研究してるから、水面下で色々やってそうだなと思いました。一郎に全任せしてる風なのも不器用な親心かな?主体性の育成?と思うのですが、どちらかというと埋れ木に仕える十二使徒が何をしているのか終始不明だから、次の世代に丸投げしてる印象与えてませんか?!笑 唯一詳細が描かれてる2世が在宅プログラマーしながら家事をして、視聴者へソシャゲの闇を正当化してくるところも「で、何をしてるんですかアンタは」感に拍車をかけてる気がするよ!!爆笑 作中で強いアピールしつ、何故か最終戦は我が子に託すという、とりあえず世代交代ノルマを業務的にこなしてるところも頭を抱えました。彼はオモロポイントとして捉えるのがもう正解な気がしてきています泣笑
こんな感じでメフィスト2世パパに関してはツッコミが無限に出てくるよね。エッちゃんとのエピソードとかは純情で微笑ましかったのですが。やたらと出番も多いわりに埋れ木くん程役割もないし謎だぜ!でも埋れ木くんを本名で呼ぶ時「真吾くん」なのは私もそう思ってかつて二次創作してから解釈一致で爆笑した。え!?私実は令和悪魔くんと相性いいのかな!?笑
ところで10話は前情報で期待しすぎちゃってたのですが、時間軸的にゲ謎と直接的関係ないよね?!!?つまりゲ謎水木の派生が今新しく生まれてるってこと〜?過去最速すぎん!?2023しげるジャンルのトレンドは義理父子じゃ!(私はゲ謎で鬼太郎と水木に萌えてるオタク)この水木パパがここまでの歳まで生きた上に胸張って息子が〜……て他者に言えるくらいの関係を鬼太郎と築いてるんですか?沢城鬼太郎とも違う新たな鬼太郎産まれてそう。一郎と合わなそう(クロスオーバーさせるな)
あと本当にどうでもいい感想ですが、配信前に「令和悪魔くんも急に見えない学校校歌歌って視聴者を置いてぼりにしてほしい」と勝手に期待してたんですが、一応は実現された。ウケた。
一郎という人間自体まだまだ個に閉じこもった器でしかなく、人間界悪魔界の平和云々以前の問題すぎるので、2期がきたらストロファイアとアエシェマの問題にもっとフィーチャーして彼が成長する物語なのかな?と期待してます。ついでに何故メシアに選ばれたのかもわかるといいよね。(悪魔くんの物語でメシアがついでって……何……!?というツッコミはしてはいけないのだ!多分)
以下ヨコシマすぎる感想だから健全な人間はスルーしてください!
作中でお父さん悪魔くんなんて呼ばれてますが、埋れ木くんは正直父親というよりママっぽくてなんか興奮してしまい正常な評価がくだせねえ〜!口調はちゃんと大人の男性なのに……この幻覚がすごい!2023。例の変な釘手に入れちゃって真吾に乱暴に見せに行く一郎も赤ちゃんすぎるけど、それに対しての「なら、まずちゃんと見せなさい」の埋れ木くんママすぎて関係ない私がちょっと照れた。恥
こんなに……いいのか……!?ひとりだけ露骨にママな○ョタで……!?!?
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Comments
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わあ!こんな辺鄙な場所にようこそいらっしゃいました。笑 読み難い文章だったと思いますが、最後までお読みいただき、ありがとうございます。個人的には新しい作品展開は大歓迎で、今回も新キャラ周りの話は楽しく観ました。
長く、それこそリアルタイムからのファンの方々はどうしても思い入れや期待が強くあると思います。またそうした方々の熱意ある応援があって(もちろん水木先生の代表作であることも大きな理由で)、時を超え続編制作に繋がったことは公式も明言しておりますが、改めて是非忘れないでほしいな、と思います。2期ではどんな成長が一郎に待っているのか、私も今から楽しみでいます!
賛否両論、むしろ長いファンの方からはほぼ不評しか聞こえてこないので、かなり嬉しく読ませていただきました。
否定も肯定もひっくるめて、制作さんたちには受け止めて欲しいと願い、2期に期待しています^^
素敵なお話ありがとうございました!